奥歯で噛めない
症例内容
性別:女性
年齢:57歳
欠損様式:遊離端
埋入本数:3本
埋入部位:34.36.37 / 44.46.47
併用手術内容:GBR
手術時間:90分
インプラント体埋入:2013.11.11
上部構造装着日:2014.2.8
初診時口腔内写真 2013.6.8
初診時パノラマ X 線写真 2013.6.8
最終上部構造装着後4年後
口腔内写真 2018.2.6
最終上部構造装着後 4 年
パノラマ X 線写真 2018.2.6
1. 初診時の状況
下顎右側臼歯部に埋入されたブレードタイプのインプラント体と左側小臼歯部のインプラン ト体がインプラント周囲炎を発症しており、患者は痛くて噛めないとのこと。
2. 検査内容
⚫ 歯周基本検査
⚫ デンタルおよびパノラマX線検査
⚫ CT 検査
⚫ 研究用模型による咬合確認
⚫ 全身状態について医療面接:特記事項なし
【診断】
37 部:歯根破折のため保存不可能にて抜歯と判断した。
3. 治療計画
下顎右側臼歯部と下顎左側小臼歯部のインプラント体を除去。下顎右側小臼歯部抜歯。治癒後に 34,36, 37,44,46,47 部にインプラントを埋入する計画を立案した。
① 右側大臼歯部と左側小臼歯部のインプラント体除去を行った。下顎右側小臼歯部抜歯。
② 3か月後CT撮影を行った
③ 近遠心、頬舌的な骨幅が存在することを確認。下顎管までの距離も考慮して34,36,37,44,46,47にStraumannStandard PLUSφ4.1×10mm(47のみ8mm) を埋入予定。
④ 3ヶ月後に印象採得を行い,暫間上部構造をセットし咬合の安定並びに周囲歯肉の安定を察る
⑤ 1か月後、上部構造装着(チタンアバットメント+FMC)
⑥ 下顎右側大臼歯部のインプラント治療を行う
⑦ メインテナンスへ
① 右側大臼歯部と左側小臼歯部のインプラント体除去を行った。下顎右側小臼歯部抜歯。
② 3か月後CT撮影を行った
③ 近遠心、頬舌的な骨幅が存在することを確認。下顎管までの距離も考慮して34,36,37,44,46,47にStraumannStandard PLUSφ4.1×10mm(47のみ8mm) を埋入予定。
④ 3ヶ月後に印象採得を行い,暫間上部構造をセットし咬合の安定並びに周囲歯肉の安定を察る
⑤ 1か月後、上部構造装着(チタンアバットメント+FMC)
⑥ 下顎右側大臼歯部のインプラント治療を行う
⑦ メインテナンスへ
4. 手術記録及び経過
2013/11/11 34,36,37,44,46,47部にインプラント1次オペを施行。歯槽頂切開し、骨面を明 示。インプラント埋入窩をシンプラントガイドをもちいて、通報に従い形成後、34,36,37,44,46,47部にStraumannStandard PLUSφ4.1×10mm(47のみ8mm) を埋入。ヒーリングアバットメント Φ4.5mm×6mm を装着後,5-0 ナイロン糸にて縫合。圧迫止血にて止血確認後処置終了した。
2013/11/21 抜糸
2013/11/21 抜糸
5. 上部構造物
2013/12/1
オープントレー法にて 34,36,37,44,46,47 部暫間上部構造の印象
2013/12/18
暫間上部構造の装着
2014/1/20
オープントレー法にて 34,36,37,44,46,47 部最終上部構造の印象
2014/2/8
最終上部構造の装着(チタンアバットメント+FMC:スクリュー-固定)
オープントレー法にて 34,36,37,44,46,47 部暫間上部構造の印象
2013/12/18
暫間上部構造の装着
2014/1/20
オープントレー法にて 34,36,37,44,46,47 部最終上部構造の印象
2014/2/8
最終上部構造の装着(チタンアバットメント+FMC:スクリュー-固定)
6. メインテナンス
3ヶ月に1度のメインテナンスを行っていく
7. 経過
経過良好。現在まで3ヶ月に1度のメインテナンスを継続中。
8. 考察
術前に、診断用ステントを用いて CT 撮像を行い、シュミレーションソフトを用いて補綴主導のイン プラント埋入計画を立案した。本症例においては、ブレードインプラントが周囲炎を起こしており、 かなり大きな骨欠損となった。そのため、補綴携形態が長く、清掃がしづらい形態となってしまっ た。しかしながら、患者がメインテナンスに積極的で、いまのところ大きな骨欠損はみとめられな い。今後も定期的なメインテナンスを行い、注意深く予後を追って行く。